一戸建て人気が再び高まっている(写真はイメージ、Caito/Shutterstock.com)
戸建住宅が爆発的と言っていいほどの売れ行きを示している。中でも首都圏の新築戸建住宅は月によっては前年同月比3倍以上の成約件数となっているのだ。なぜこんなにブームになっているのか、住宅ジャーナリストの山下和之氏が最新の一戸建て事情をレポートする。
戸建ての物件数は減っているため「引っ張りだこ」の状態に
今年(2025年)に入ってから、戸建住宅の人気が急上昇している。
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)のデータ(【グラフ1】参照)を見ると、首都圏の新築戸建住宅の成約件数は2024年7月に370件だったのが、2025年7月には1268件に増えている。前年同月に対して242.7%の増加で、およそ3.4倍に増えている計算だ。

これは7月だけの一時的な現象ではない。グラフからも分かるように、2025年に入って新築戸建住宅の成約件数が飛躍的に増えている。月によって多少の変化はあるが、おおむね前年の3倍前後で推移している。
しかし、新築戸建住宅の物件数が増えているわけではない。同じ東日本レインズのデータによると、新規登録件数はむしろ減り続けている。2024年7月に月間6266件だったのが、8月から12カ月続けて減少し、2025年7月は5290件に減っているのだ。
購入側からみれば、それだけ選択肢が狭くなっているわけだが、それでも売れていて、まさに引っ張りだこの状態だ。
その最大の要因は、マンション価格の高騰と言われている。新築・中古を問わずマンションが高くなり過ぎたため、戸建住宅に目を向ける人が増えているという。