生成AIには比喩もジョークも通用しない
こんなものがでてきてしまいます。さらにこれを日本語に逆翻訳してみると「知るも知らぬも・・・が訳された「acquaintances – strangers」が曲解されて、「そう、ここがその場所だ。人々が行き交い、そして別れていく場所。 知人もしがない他人も、あるいは異星人ですらも大阪駅の出会いの関所で等しく顔を合わせるのだ」と、回復不能な曲解による「現代詩」に変形されてしまう。
もっとも、私自身の素は生前のジョン・ケージやカールハインツ・シュトックハウゼンと仕事してきたポスト・シュール/ポスト・ネオ=ただの音楽屋ですので、こちらの方がはるかに本領になりそれなりに面白いのですが・・・。

映画「エイリアン」のキャラクターデザインなどで知られる画家H.R.ギーガー関連の学習情報が災い(?)するのか、あっという間に取り返しのつかないところに「蝉丸」が変容してしまいます。
そこで、悪い予感がしつつも、そこに元の作者名「蝉丸」を補ってみると、

かなりひどいことになりましたが、まだ見るに堪えると考えて掲載しました。
「大阪駅」の絵に「蝉丸」を補うと、そこら中が昆虫だらけ、ヒッチコックの恐怖映画より酷いことになりましたので、こちらは自主規制しました。
これを英訳したのが、冒頭に添付した画像になります。
「Cicada Circle」・・・「蝉・丸」文字そのまんまですね。ここに現在の大規模言語処理システムの一つの本質が見えていると言えるでしょう。
生成AIには善くも悪しくも「比喩」も「ジョーク」も通用しません。直情径行ぶりが悪い冗談にはなるかもしれませんが、そういう一例にはなっています。
この「蝉丸」で動画生成してみると・・・なかなかシュールな世界にはなっていると思います。私は嫌いではありません。
ただ、同じものを学校のリポートや就職のための資料、あるいはビジネス顧客へのプレゼンテーションなどに使ったとき何が起きるかは、責任を取れないとのみ記しておきましょう。
実際、生成AIは作成の主体がありませんから、誰も責任は取ってくれません。ここにはもっと本質的な問題があるのですが、これは別論としましょう。
物理学者はいろいろな系に出てくる数値を「0」とか「無限大∞」とか極端な値にした際のシステムの挙動を見る「極限」操作を好みます。
私も物理学教室に学びましたので、30代前半で大学に着任して以来、四半世紀以上にわたって「極端なケース」で情報システムやメディアアートの指導をしてきたわけで、その「小中学生版」の一端をご紹介しました。
生成AIによる音声動画の出力は、直球で考えると勝負になりません。しかし、マルセル・デュシャンやジョン・ケージ、日本で考えるなら瀧口修造さんや塚本邦雄氏のようなシュールレアリズム以降の発想で、面白い展開を検討できるようにも思います。
ただ、実際に瀧口さんや塚本さんの詩歌を入力して画像出力してみると、かなり救いようのないものが出てくるのも事実です。今回は長尺となりましたので、これらは回を改めたいと思います。







