日本の宇宙ビジネスはどこまで強いか?

──宇宙ビジネスの拡大は、私たちの仕事や生活にどのような影響を与えるとお考えでしょうか。

佐々木:冒頭でお話ししたように、格差解消も良い影響の一つです。加えて、他産業への波及効果も期待できます。

 スターリンクの例で言うと、インターネットにアクセス可能な人の数が増えれば、インターネット産業、ひいてはIT産業全体が拡大します。既存サービスの売り上げの向上はもちろん、新しい事業の誕生やイノベーション促進にも期待できます。

──日本の宇宙ビジネスの強みはどうでしょうか。

佐々木:技術力の高さは世界的にも高い評価を得ています。宇宙にモノを飛ばすとなると、さまざまなパーツを組み合わせる必要があります。それぞれのパーツに関して、しっかりとした基盤技術が日本にはあります。

 また、政府の取り組みも注目すべきポイントです。内閣府は、宇宙分野の技術開発・事業化を中長期で後押しするために、大型の公的支援制度である宇宙戦略基金を創設、2024年から運用を開始しました。宇宙戦略基金の予算は、10年間で総額約1兆円に上ります。

 内閣府が、日本で伸ばすべき技術要件の候補を出し、プロジェクトを審査しています。採択されると、3年~5年の中期的なスパンで数百億円規模の補助金を得ることができます。

 この宇宙戦略基金の採択を目指して、世界中の宇宙関連の企業が日本に進出しています。いい意味で競争環境が整ってきています。今後の日本発のイノベーションに期待できます。

──逆に日本の宇宙ビジネスの課題やボトルネックだと感じていることがあれば教えてください。

佐々木:人です。補助金も充実し、いい流れができつつありますが、「宇宙関連のキャリアに挑戦したい」「宇宙ビジネスに挑戦したい」という人が圧倒的に不足しています。

──今回の書籍では全く関係のない分野から宇宙ビジネスに参入して成功を収めた人の事例が紹介されていました。彼らの共通点や成功のポイントは、どのようなところにあるのでしょうか。