“政冷経熱”の関係はいつまで続くか?
いずれにせよ、ともに中国を敵視していることもあるのだろうが、政治的な緊迫感とは裏腹に、経済的な冷え込みは確認されない。つまり“政冷経熱”だ。
では、この状態は何時まで続くのだろうか。
はっきりしていることは、少なくとも短期的にはこの状況の改善は見込み難いということだけである。仮に今年11月の中間選挙でトランプ政権が敗北、レームダック化が進むとしても、次期政権が欧州に融和な姿勢に転じるか定かではない。融和的な姿勢に転じても、次の政権で覆るかもしれない。
欧州の中でも親トランプの姿勢を取る右派は多いが、これはあくまで自国優先主義の方便に過ぎない。米国が自国を優先する姿勢に自らの正当性を重ねているだけであり、米国と本質的な意味で交わりようがない。ゆえに、欧州の政治がさらに右派色を強めるとしても、米国との関係の改善は見込めない。むしろ緊張感が高まるのではないか。
トランプ関税に端を発したグローバルな緊張が和らいだ直後に、米国は新たな不確実性をばら撒いてきた。今のところ金融市場はそこまでネガティブな反応を見せていないが、今般の“ドンロー主義外交”はドル不安の新たな火種になったと考えられる。すでに高値圏だが、貴金属に対する逃避買いの動きが加速するシナリオも意識される。
それが現実的な選択肢かはともかく、欧州が米国と距離を置き、さらに閉鎖的な性格を強める展開も予想される。