SFを超える米国の現実
マライ:「分断」という言葉では足りない気がします。
町山:もはや保守とリベラルの対立ですらない。「人間とは何か」「社会とは何か」という前提が、完全に共有されていない。農業も労働も機械で代替でき、人間は不要になると考えている人たちが、現実に権力と資本を支配している状況なのです。
マライ:最後に、今のアメリカを理解するため、見るべき作品があれば教えてください。
町山:Amazonのドラマ「ザ・ボーイズ」です。スーパーヒーローを作る企業が、政府を乗っ取っていく話です。国民から絶大な支持を受けるヒーローが登場しますが、実は人種差別主義者で逆らう人間を次々殺します。
放送が始まったのは第1次トランプ政権の頃ですが、ドラマの中で描かれていた出来事が、その後現実のアメリカで次々と起きているように感じます。人類が気づかないうちに管理される、今のアメリカはその警告が現実になりつつあります。
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