つい最近まで日本が「中国人に人気の海外旅行先」のナンバー1だったが…
中国でコロナ禍が明けたのは、2023年1月。そこから冬の春節と秋の国慶節(10月1日)の大型連休で、多くの中国人が海外旅行へ出かけた時期が、これまで5回あった。私は毎回、中国メディアや大手旅行代理店が発表する記事やデータを見てきたが、常に日本旅行が人気のトップだった。
コロナ禍で運休になっていた中国国際航空の重慶-東京(成田)の直行便は昨年1月26日に運航再開されたばかり。その初日には多くの中国人旅行客が東京に向かった(写真:新華社/共同通信イメージズ)
例えば、今年の国慶節の8日間休暇の人気ベストテンは、以下の通りだった。①日本、②イタリア、③フランス、④スペイン、⑤ニュージーランド、⑥韓国、⑦インドネシア、⑧オーストラリア、⑨アメリカ、⑩イギリス。
韓国は6位に沈んでいる。なぜ日本より韓国の方が人気があるのか? 北京に住む旅行好きの中国人カメラマンに聞いたら、こう答えた。
「韓国は、韓ドラやK-POPなどで憧れがあったが、実際に行ってみると、ワクワクしたのは初日だけだった。どこへ行っても、景色も食べ物も変わり映えせず、1回行けばもういいやと思った。
逆に日本は、地域ごとに魅力が異なり、特色ある食べ物やみやげ物などが充実している。かつ値段もリーズナブルで、安心・安全だ。そのため1回行くと、次は別の地域へ行ってみたくなった」
それが、いまや中国人にとって、「当局の強力な指導」により、日本旅行は事実上タブーとなった。それに伴い、「代替地としての韓国」に、にわかに注目が集まっているというわけだ。