ちなみに、「韓国デモ体験ツアー」に飽き足らない中国のツワモノ青年たちが次に目指したのが、「シリア政権崩壊体験ツアー」だった。

韓国人が「嫌中」になる理由

 現在の韓国に話を戻すと、韓国人の「嫌中感情」は、ある意味、日本人以上に高まっている。ソウルでは連日、「チャイナアウト」(中国人出て行け)のデモが行われ、多くの若者が参加している。私も今年5月に大統領選挙の取材で訪韓した際、韓国人の強烈な嫌中感情に驚いた。

 それには、主に二つの潮流がある気がした。一つは、家電製品や自動車など、これまで韓国が得意としてきた産業で、「韓中逆転」が起こりつつあることに対する警戒感と嫌悪感だ。

 もう一つは、約170万人いる中国の朝鮮族の人々が、自国の経済悪化によって韓国へ出稼ぎに来て、韓国人の職を奪っていく現象だ。これに反発して、一種の「移民排斥運動」が起こっているのだ。

 いずれにしても、今回ばかりは、中国人観光客が韓国で、デモを体験するわけにはいかないだろう。