「戦争と社会の安定の両方を賄える資金はプーチンにはない」
ゼレンスキー氏は「プーチンがこの戦争を続けられるのは戦線にさらに人を送り込み、海外から装備を購入するための莫大な資金がある間だけ。プーチンが攻撃を続けながら同時にロシア国内の社会の安定を維持するのは不可能だ。両方を賄える資金は彼にはない」と指摘した。
「私たちはすでに兆候を目の当たりにしている。ロシアは戦費を削り始めた。死ぬために送り出される者への支払いさえ減らした。あと1、2年戦えば、欧州は2000億ユーロを返してくれるという希望をプーチンに与えてはならない」(ゼレンスキー氏)
今回、ベルギーや旧共産圏のハンガリー、チェコ、スロバキアの反対で、ロシアの凍結資産2000億ユーロに手をつけることはできなかった。しかしプーチン氏の戦争継続能力は全面侵攻が始まった22年当時に比べ大幅に低下している。
英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のルーク・クーパー研究員がウクライナ経済・産業に詳しい3人とまとめた最新の報告書『時間との戦い? なぜロシアの戦争経済が時間切れになりつつあるのか』の中でこう指摘している。報告書の中身を見ると――。