日本企業が勝ち残るための条件とは

　かつての日本は、半導体の製造技術で世界をリードしていながら、OS（基本ソフト）やプラットフォームを握れず、ITの競争に後れを取りました。

　AI時代にも同じ轍を踏むわけにはもういきません。

　私は多くの日本企業の経営者や技術者と話す中で、AIは単なる業務効率化ツールではなく、未来の競争力そのものを規定する資源だという認識をもっと共有する必要があると感じています。

　日本企業がAIの主導権争いに参加するには、GPUやクラウド基盤の中長期契約、国内データセンター強化、AIスタートアップへの機動的な資本参加、自社独自AIの育成といった手段を組み合わせる必要があるでしょう。

　AIの覇権争いは、もはや遠い世界の話ではありません。

　OpenAIとAMDの動きが示したのは、資源を確保できる企業だけが、次の10年の競争を勝ち抜くという厳しい現実です。

　日本は技術では負けていません。ただ、戦略の速度が米国企業に比べてどうしても遅いように感じられます。

　その遅れを取り戻せるかどうかが、これからの経営者に課せられた最も重要なテーマになると思います。

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