メタと中国勢の動向にも注目

 メタ(Meta)は巨大言語モデル「Llama」をオープンモデルとして公開し、世界中に普及させています。

 その裏で、メタバースのために買った膨大なGPUを保有しており、自社でも次世代GPU調達を積極的に進めているのです。

 メタの特徴はクラウドを介さない自前GPU運用です。これは、AI企業がクラウド依存から抜け出す一つのモデルケースになっています。

 中国企業(百度、アリババ、テンセント、バイトダンスなど)は、米国による半導体規制の強化を受け、独自チップの開発を加速しています。

 国家主導で巨大データセンターを複数建設し、AIモデルの国産化とGPU代替技術を推進しているのです。

 特に興味深いのは、中国がAI資源の分散保有ではなく国家による集権的運用に向かっている点ではないでしょうか。

 これは米国とは異なるサプライチェーン戦略であり、アジア全体のAI地図を大きく変えていく可能性があります。

 OpenAIによるAMDのワラント(新株予約権)取得、グーグルのTPU、アマゾンのTrainiumとInferentia、中国の国産化。これらはすべて共通した方向を向いています。

 それは、AI企業はGPUを買うのではなく、供給網そのものを押さえにいくフェーズに入ったということです。