西半球は米国の勢力圏

 第2に本「戦略」は、トランプ版モンロー主義と銘打って、西半球、すなわち南北アメリカ大陸が米国の勢力圏であることを明確に打ち出している。

 モンロー主義とは、19世紀前半に第5代米国大統領ジェームズ・モンローが唱えた欧州と南北アメリカ大陸間の相互不干渉の原則だとされている。

 トランプ政権はこの原則に回帰し、南北アメリカ大陸における米国の優位を確立して、大規模な移民の阻止、麻薬密輸などの国際犯罪防止を徹底するとしている。

 そして「西半球でいかなる反対勢力が優勢になることも許さない」として、「グローバルな軍事的プレゼンスを西半球における緊急的脅威に対処すべく再調整」するとしているのである。

 この「再調整」は、当面は主として現在欧州や中東に展開している米軍勢力を対象としたものとなると考えられるが、日本や韓国への防衛費増額要求も、この延長上にあると考えるべきだろう。