論争界隈は一つのジャンルになった(写真:takasu/イメージマート)
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(谷 龍哉:ネット情報アナリスト)

 若者や社会人にとっては持っていて当たり前のスマホ(スマートフォン)ですが、いつ頃から持つようになるかというと、中学1年生までには多くの子どもたちがスマホを持つようになるといった調査結果があります

 緊急時の連絡先としてや子どもの居場所を把握するためといった理由以外にも、子どもに欲しいとせがまれて買い与えるといった理由もあり、各ご家庭で理由はさまざまかと思います。

 スマホはただの連絡手段ではなく、いろいろな機能が備わっており、子どもにとってのスマホデビューは夢のような遊び道具を手にする瞬間になる一方、無制限に「多くの他人」とつながる瞬間でもあるため、使い方を間違えれば子どもへの悪影響は計り知れません。

 子どもがスマホを使う時に思い浮かべる危険性として、悪い大人と接点が生まれることで、トラブルに巻き込まれるといったイメージが強いのではないでしょうか。

 もちろん、こういったトラブルに子どもが巻き込まれないよう細心の注意をはらい、子どもにスマホの使い方を教えたり制限したりすることは必要ですが、「多くの他人」の中には大人だけではなく、「子ども」も含まれていることを忘れてはいけません。

 子どもがスマホでネットを利用するときに、大人へ警戒心をもっていても、年が近い子ども同士となると警戒心は一気に薄れることが少なくありません。ちょっとしたきっかけで意気投合するだけでなく、顔写真や誕生日に本名などといった個人情報をお互いに教え合うことで、他人から友人へと仲を深めていくことがあります。

 子ども同士で仲良くなるということは、現実と同じように喧嘩をすることも多々あるということです。ただの喧嘩で終わればいいのですが、お互いに個人情報を知っている関係ともなると、喧嘩の勢いで相手の個人情報をネット上に晒す(さらす)といった行為をしてしまうのが子どもの怖いところなんですよね。

 ネットリテラシーのような、ネット上でやっていいことと悪いことというのは、大人でも判断ができない頭のおかしな人がいるもので、子どもがこういった判断をできるかというと、なかなか難しいと思います。

 あまり知られていませんが、ネット上で口喧嘩をするというジャンルが遊びとして一部の子どもや若者たちの間で定着しています。