早実、PL学園…続々と名選手を輩出する野球名門校
甲子園に何度も出場する「名門校」出身で、プロで大成する選手がいる一方で、地方の全くの無名校からプロ入りして、大選手にのし上がるケースもある。
名門校出身と言えば、最初に名前が挙がるのが、通算868本塁打という空前の記録を作った巨人の王貞治だろう。出身は早稲田実業高。通称「早実」は、旧早稲田実業学校時代に、夏の甲子園の前身である1915年の第1回全国中等学校野球大会に出場、以後、夏の甲子園に30回、春は22回出場し、全国優勝も2回記録している。王は、1957年春の初優勝時のエースだ。
早稲田実業出身のプロ野球選手には、王貞治を始め、王を一本足打法にした指導者の荒川博、安打製造機と言われた榎本喜八、ヤクルトのエース荒木大輔、名捕手大矢明彦、甲子園を沸かせた「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹、現役では日本ハムの中軸を打つ清宮幸太郎などがいる。
早稲田実業高は、早稲田大学の系属校であり、早稲田大学へ進学する道が開けているが、王を始め、早稲田実業から直接プロ入りする選手が多い。
選抜高校野球大会決勝で、高知商を相手に力投する早稲田実業の王貞治投手。王はこの日で4連投、8回には連打を浴び3点を許したが、よく抑え、早実に甲子園初優勝をもたらした=1957年4月7日(写真:共同通信社)
大阪のPL学園高校からは、松井稼頭央(NPB2090安打、MLB615安打)、立浪和義(2480安打)、宮本慎也(2133安打)、清原和博(2122安打)、加藤秀司(2055安打)、新井宏昌(2038安打)と6人もの2000安打者を輩出。
投手では200勝はいないが、桑田真澄(NPB173勝、MLB0勝)、前田健太(NPB98勝、MLB68勝)、尾花孝夫(112勝)、野村弘樹(101勝)と、日米通算も含めて100勝投手を4人輩出している。
戦後の1956年に創部した歴史の浅い学校だが、全国の優秀な選手をスカウトし野球部寮で競わせることで、夏20回、春17回甲子園に出場し、7回全国優勝を飾っている。