「トランプ経済の『不安定と恐怖』の中で米国人は休暇支出を削減」

 一方、英紙ガーディアン(11月28日付)は「米国人は経済の現状に不安を募らせている。トランプ経済の『不安定と恐怖』の中で米国人は休暇支出を削減している。価格上昇や関税、失業増加が贈り物を買うのを止める理由に挙げられる」と悲観的な見方を示している。

  FRBのクリストファー・ウォラー理事は家計の上位10%が個人消費全体の22%、上位20%は35%を占め、下位60%は45%と指摘。「下位グループは今年の物価上昇の影響を受け、お買い得商品を探すため、支出計画を見直しつつある」という。この層向けにコカ・コーラも「ミニ缶」商品を強化している。

 トランプ氏は「関税収入を国民に配る“関税配当”として1人当たり少なくとも2000ドルを支払う」と発言。支給対象は低中所得者層だ。物価高の補償と景気刺激策、政治的人気取りが狙いだ。

 関税収入は最大3000億ドルに対し2000ドル給付は総額3000億~6000億ドルかかると見積もられ、強行すれば財政赤字がさらに膨らむ。

 11月、トランプ政権は200品目超の農産物・食品の10%グローバル関税を免除した。牛肉・一部の加工肉、コーヒー・茶、バナナ・各種トロピカルフルーツ、オレンジジュース、一部肥料・宗教用途の食品などだ。同時に中南米諸国との2国間・多国間のミニ通商合意を発表した。

 メディアは「高止まりする食料品価格への有権者の怒りに押され、トランプ氏が看板政策だった関税の一部を撤回した大きな転換」と報じた。米国民の反応は「牛肉やコーヒーが少し安くなっても、保険料や家賃、税金は上がり続けている」と冷たい。