疑問②:なぜ江東区は居場所を家族に教えないのか?

益田:続いて、2番目の疑問についてです。なぜ江東区は家族に和子さんの居場所などを教えないのでしょうか。

西岡:1つ言えることは、もし和子さんの居場所が判明していて和子さん本人が連れ去りについて証言してしまえば、「虐待はなかった」ということが明らかになってしまうということです。

 虐待がないのに家族がいない場所へ連れ去られ、そのまま半年以上も拘束状態にするというのは、明らかな不当・不法行為です。おそらく和子さんは今も介護施設か病院にいると思いますが、長期間にわたって行政が家族と会わせないままにすると、損害賠償請求の問題も出てきます。

 そうなると役所の責任問題になりますから、区側としてはそれを避けたいのではないかと私は考えています。

益田:書類なども発出されていない状況ですよね。

西岡:そうです。面会制限の行政処分通知書もいまだに発行されていません。ご家族は通知書の発行を繰り返し求めていますが、区は出すことを拒否している状況です。厚労省のマニュアルにも書かれている通り、面会制限を続けるのであれば行政処分の通知書は必ず発行しなければなりません。