小柳建設は、MR(複合現実)技術を活用し、構造物などの3Dデータを遠隔で共有することで、設計の打ち合わせや検査を大幅に効率化した(写真提供:小柳建設)

 建設業界は長時間労働が常態化し、デジタル化も遅れているというイメージが強い。しかし新潟県三条市の小柳建設は、2015年からDXに着手し、10年で利益率2倍、月の平均残業時間1.4時間、新卒入社3年以内の離職率4%台という成果を実現した。アメーバ経営とDXを組み合わせて企業変革を成し遂げた同社の取り組みを、代表取締役社長CEOの小柳卓蔵氏に聞いた。

「アメーバ経営」と「DX」の二刀流が生んだ劇的な成果

──10年で利益率2倍、月の平均残業時間1.4時間、離職率4%台。建設業界では際立った数字です。2015年から本格的にDXに乗り出したと聞きましたが、どのような取り組みだったのでしょうか。

小柳卓蔵氏(以下、敬称略) これらの成果の背景には、小集団で採算を管理するアメーバ経営とDXを同時に機能させたことがあります。どちらか一方だけでは、ここまでの変革は実現できなかったと考えています。

 DXというとITツールの導入が注目されがちですが、それだけでは成果は限定的です。実際、多くの企業から「業務効率化ツールを導入しても残業時間が減らない」「現場が楽にならない」という相談を受けます。その理由は明確です。DXによって業務時間が短縮されても、空いた時間に別の不要な仕事を作り出してしまうからです。