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長らく労働生産性が低い状態が続いていた建設業界で変革の兆しが現れ始めた。徐々にではあるが、ICT建機による施工などが普及している。30年後に就労者が半減するといわれるこの業界は、今後どのような進化を遂げるのか。Japan Innovation Review主催のセミナーに登壇した立命館大学総合科学技術研究機構教授建山和由氏の講演を基に、その可能性を探る。
人口問題からみた建設業の改革の必要性
建山氏は「建設業界は今、かつてない変革の波に直面している」と指摘する。その背景にある最大の要因は、日本の人口構造の変化である。日本の総人口は2007年頃をピークに減少に転じているが、より深刻なのは生産年齢人口の急激な減少だ。
2020年を起点とするデータを見ると、今後30年間で、生産年齢人口は約30%減少すると予測されている。毎年1%ずつ労働力が失われていく計算であり、多くの産業において人手不足が常態化するとみられている。
建設業に焦点を当てると、人手不足の状況はさらに切迫している。2021年時点の就労者数の予測によると、建設業の就労者は10年後に11.7%減、20年後に34%減、30年後には46.7%減と、2051年ごろまでに現在のほぼ半数に落ち込む見通しだ。
加えて、建設業は全産業と比較して高齢化が著しい。全産業で55歳以上の割合が増加傾向にある中、建設業はその比率が特に高い。一方で29歳以下の若年入職者の割合は低い水準にとどまっている。
この年齢構成の歪みは、単なる人手不足以上の問題をはらんでいる。技術継承の断絶だ。建設業の現場には、不確定要素が多い。その対処法のほとんどは、技術者個人の経験と知識に蓄積されてきた。熟練技術者がリタイアしていく過程で、組織としての技術力が失われていく可能性が高くなっている。
建山氏は「この危機的な状況を打破する方法は2つ」と説明する。1つは、省人化・効率化による生産性の向上である。もう1つは、建設業への入職者を増やすための環境の整備だ。これまで建設業に関わりの薄かった層も含め、多様な人材を受け入れていかなければならない。双方を実現するための鍵となるのが、デジタル技術の活用である。







