Aさんの判断力をショートさせた完璧な“追い込み”
【3日目:21:00】蜘蛛の糸
エリに励まされ、アキに諭されたAさんは、ついに「少額なら」と指定された投資サイトに10万円を入金してしまう。 すると、画面上の数字がみるみる増えていく。もちろんこのサイトは偽物で、並ぶ数字もすべてダミー。しかし興奮したAさんは、貯金の半分である300万円を追加投入する。これが終わりの始まりだった。
Aさん:「少し利益を出金したいのですが」
システム:「エラーが発生しました」
慌ててサポートに連絡するAさん。ここで3人目のAIエージェントが登場する。
カスタマーサポート(犯罪者エージェント・詰め役): 「お客様のアカウントは現在、セキュリティロックがかかっております。解除には総資産の20%、つまり60万円の保証金が必要です」
総資産の20%というのはかなりの数字だ。悩んだAさんはエリに相談する。
エリ:「大丈夫だよAさん! 私も前にそうなったけど、払ったらすぐ倍になって戻ってきたから!」
アキ: 「これは『試練』です。市場は臆病者を嫌います」
3方向からの波状攻撃。エリの「共感」、アキの「権威」、サポートの「事務的な圧力」。この完璧な包囲網の中で、Aさんの正常な判断力はショートした。