ゼレンスキー大統領の取るべき道
ゼレンスキー氏の汚職対策機関の独立性を制限する法律案の狙いは、自身およびその周辺人物への捜査を避けるために国家汚職対策局や特別汚職検察庁を自分の息のかかった検察庁の支配下に置いて捜査を妨害することではないかとの指摘がある。
腐敗・汚職事件を握り潰そうとする行為は民主主義の破壊そのものであり、許されるものではない。
筆者は冒頭で、ゼレンスキー大統領自身には直接的な汚職疑惑は浮上していないと述べたが、実際にはゼレンスキー氏の汚職疑惑を指摘するメディアも存在する。
こうした状況下では、ゼレンスキー大統領は身に覚えがあるなしにかかわらず、直ちに辞職するのが最善策と言えないだろうか。そして、早々に大統領選挙を実施すべきである。
結果として、ウクライナ国民に最も信頼されているウクライナ軍の前総司令官であるヴァレリー・ザルジニー大将(現駐英大使)が新大統領に選ばれれば、ウクライナの民主化は前進し、ロシアとの戦いも有利に進められる可能性がある。
現在のごたごたが続けば、それこそロシアの思う壺である。
また、ウクライナが大統領選挙を実施すると言えば、現在進行中のウクライナにとって不利な和平協議はいったん停止せざるを得ないであろう。
それはウクライナの将来にとって好ましいと筆者は考える。停戦協議や和平協議は当事者間で行うべきものだからだ。
