専門家だけのものではなくなったAI

 表示層がカスタムGPTで、制御層がプロンプトやAPI(Application Programming Interface=異なるソフトを連携させる仕組み)、知識層がナレッジベースです。

 AIはプロンプトという知能のサーブレットを通じて知識を呼び出し、人間が理解しやすい形に整えて返してくれます。

 HTMLが動的に情報を生み出したように、AIは状況に合わせて知能そのものを動的に生成しているのです。

 ここから、AIの民主化というテーマが見えてきます。

 HTMLが普及したとき、企業だけでなく学生でも気軽に自分のウエブページを作れるようになりました。

 情報の発信は一部の特権ではなくなり、誰もが参加できるようになったのです。同じことがAIの世界で起こっています。

 かつてAI開発は専門家だけのものでした。

 しかし、カスタムGPTの登場によって、自分専用のAIを作ることが誰にでも可能になったのです。

 仕事を手伝ってくれるAI、趣味を深く共感してくれるAI、さらには独自の哲学を共有できるAIまで。

 AIを作るという行為は、プログラムを書くというよりも、「自分の考え方を形にする」作業に近くなっています。

 私はこれを知能の民主化と呼びました。