GPT5とGPT5.1の根本的な違い

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 米オープンAIの最新版生成AI「GPT5」が登場したとき、私はまるで時代に背中を押されるような感覚を覚えました。

 長く企業経営を続けてきた私でも、この数年のAIの進化速度は異常なほどで、かつてプロジェクト指向プログラミング言語「Java」を扱っていた頃のゆっくりとした技術革新とはまるで別世界です。

 GPT5は、その進化の勢いを象徴するモデルでした。

 高度な推論、マルチモーダル能力、長い文脈保持、そのどれもが一段上の水準に達し、「もうここが一つの完成形ではないか」と感じたほどでした。

 ところが、最近登場した「GPT5.1」は、驚くほど違う方向の成熟を見せたのです。

 能力値の飛躍ではなく、AIという存在そのものを道具として成立させるための進化でした。

 これは技術者よりも、むしろ経営者や実務者のニーズに応えたモデルだと言えます。

 つまり、天才肌のエンジニアが作ったプロトタイプが、ようやくビジネスの現場で使える製品に磨かれてきた――そんな印象を受けたのです。

 GPT5.1で最も特徴的なのは、AIの態度が整ったという点ではないでしょうか。

 GPT5は非常に賢い反面、どこか冷静すぎて、指示に忠実なようでいて、ときどき予想外の方向に暴走することがありました。