fernando zhiminaicelaによるPixabayからの画像
GPT5とGPT5.1の根本的な違い
米オープンAIの最新版生成AI「GPT5」が登場したとき、私はまるで時代に背中を押されるような感覚を覚えました。
長く企業経営を続けてきた私でも、この数年のAIの進化速度は異常なほどで、かつてプロジェクト指向プログラミング言語「Java」を扱っていた頃のゆっくりとした技術革新とはまるで別世界です。
GPT5は、その進化の勢いを象徴するモデルでした。
高度な推論、マルチモーダル能力、長い文脈保持、そのどれもが一段上の水準に達し、「もうここが一つの完成形ではないか」と感じたほどでした。
ところが、最近登場した「GPT5.1」は、驚くほど違う方向の成熟を見せたのです。
能力値の飛躍ではなく、AIという存在そのものを道具として成立させるための進化でした。
これは技術者よりも、むしろ経営者や実務者のニーズに応えたモデルだと言えます。
つまり、天才肌のエンジニアが作ったプロトタイプが、ようやくビジネスの現場で使える製品に磨かれてきた――そんな印象を受けたのです。
GPT5.1で最も特徴的なのは、AIの態度が整ったという点ではないでしょうか。
GPT5は非常に賢い反面、どこか冷静すぎて、指示に忠実なようでいて、ときどき予想外の方向に暴走することがありました。