暗号資産はドバイチョコレートの金融版
これはドバイチョコレートの金融版だ。
オックスフォード大学で実験心理学を教えるチャールズ・スペンサー教授が先日、ドバイチョコレートが突然人気になったことについて意見を述べた。
ご存じのように、ピスタチオのクリームと細かく刻んだフィロペイストリーをチョコレートで包んだお菓子のことだ。
スペンサー教授は、3つの属性が功を奏したと主張する。
エキゾチックに見えること、中身のざくざくした食感のせいでTickTok(ティックトック)インフルエンサーが食べる時に面白い表情を見せること、そして中身の明るい緑色とそれを包むチョコの茶色のコントラストの写真写りがよいことだ。
この3点すべてを結びつけるものは何か。それは見栄えだ。
我々は外見がとにかくものを言う世界に住んでいる。少なくとも、ドバイチョコレートはチョコレートバーだ。ではドージコインとは何なのか、筆者には皆目見当がつかない。
このように考えていくと、なぜこんなシュールな金融資産がこのところ人気を集めているのかという疑問がわく。
筆者が思うに、その答えはテクノロジーにある。と言っても、技術はブロックチェーンではない。
ソーシャルメディアとトレーディングアプリだ。個人投資家が互いをそそのかしたり、一日中あわただしく売買したりすることが今ほど容易になったことはない。
あわただしく売買することが個人投資家にとって下策であることはよく知られている。
経済学者のブラッド・バーバー、ターランス・オディーン両氏は、1990年代のトレーディング行動について数件の研究を行い、その結果を公表した。
それぞれ少しずつ異なる視点から取り組んだが、到達した結論はほとんど同じで、「トレーディングの頻度が高いほどリターンは低下する」だった。