AI導入の問題点
夜間の林道や登山道の安全確保に寄与しており、林業従事者の安心感も高まりました。
さらに、民間気象会社では、AIを活用して気象・地形・植生などを統合的に解析し、全国規模の「クマ遭遇リスクマップ」を作成しています。
このマップは地域行政の災害対策と連動しており、観光客や登山者への安全情報提供にも役立つでしょう。
実際、私も栃木県で熊に遭遇しそうになったことがあります。間違って熊の生息エリアに入ってしまったのです。
AI技術の導入は進んでいますが、課題も少なくありません。
まず、山間部では通信環境が不十分な場所が多く、AIカメラやセンサーのデータをリアルタイムで送信できないという問題があります。
AIがクマを識別するためには多くの映像データが必要ですが、クマは個体差が大きく、姿勢や光の条件で誤判定が起きやすいのです。
鹿やイノシシをクマと誤認して警報が鳴り続けたこともあると語っていました。
このような信頼性の問題を克服するには、現場での実証と改良の積み重ねが不可欠です。加えて、費用面の課題もあります。
AIシステムはカメラや通信機器、電源設備を含めると1基あたり数十万円から百万円単位のコストがかかるのです。
小規模な集落では設置台数を増やすことが難しく、自治体の補助金制度や企業との協働が求められます。