5つの金投資法!100円からできる積立や投資信託
日南:実際に金に投資するには、どのような方法があるのでしょうか?
頼藤:金への投資方法は5つあります。
(1)実物を手にできる「金地金(バー)」
(2)デザインも楽しめる「金貨」
(3)毎月1000円程度から始められる「純金積立」
(4)100円から投資でき、新NISAの対象にもなる「金投資信託」
(5)株式のように流動性が高い「金ETF(上場投資信託)」

日南:初心者が始めるとしたら、少額から積み立てられる「純金積立」や「金投資信託」でしょうか。
頼藤:そうですね。初心者には純金積立や金投資信託、金ETFがおすすめです。いずれも少額から始められますし、新NISAの成長投資枠で扱える商品を活用すれば、税制面でもメリットがあります。
実物(金地金・金貨)は持つ楽しみがありますが、売買コストや保管の手間がかかります。日常的な投資としては、ネット証券で購入できる投資信託やETFなどが手軽でしょう。
日南:金投資は「守りの資産」として安定している印象ですが、注意すべき点はありますか。
頼藤:まず、金も金融商品の一つなので、金利や為替などのマクロ要因で価格が変動します。一般的に、金利が上がる局面では債券に資金が流れやすく、金が売られやすくなります。また、ドル建てで取引されるため「ドル高・円安」になると、円建ての金価格は上がりやすくなります。
さらに、戦争や金融危機のように地政学リスクが高まると、安全資産として金が買われる傾向があります。実際2020年のコロナショックをはじめ、近年の世界情勢でも、株価が下落した局面で金価格は堅調に推移しています。

日南:マクロ環境の変化以外に、金投資で注意すべき点はありますか。
頼藤:税金面で注意が必要です。まず金投資には、大きく分けて「ペーパー資産」と「現物資産」があります。
金ETFや金投資信託などのペーパー資産で得た売却益は、株式と同じ扱いで「分離課税」となり、税率は一律20%です。ただ、NISA口座(成長投資枠)で購入すれば、ETFや投信の売却益は非課税になります。つまり、金連動型のETFや投信でもNISAを利用すれば、利益に税金がかからず運用できます。

一方で、純金積立や金地金、金貨といった現物資産は取り扱いが違います。金地金や金貨、純金積立などを売却して得た利益は「譲渡所得」として扱われ、給与など他の所得と合算して「総合課税」になります。日本の所得税は累進課税なので、税率は所得に応じて5%から45%まで上がります。