村上宗隆、岡本和真もメジャー移籍が決まればWBC参加はかなり微妙に
前回の2023年大会で侍ジャパンを世界一へ導いたのは、まさにこの3人の存在だった。だが今の井端体制では、その戦力を再び集められる保証はない。WBC連覇を目指す戦いは、開幕前から暗雲が垂れ込めている。
さらに追い打ちをかけるのが、村上宗隆と岡本和真の動向だ。ヤクルトと巨人がそれぞれポスティングを容認し、両選手はMLB挑戦へ踏み出した。だが問題は移籍先の球団が、彼らのWBC出場を認めるかどうかにある。
新天地のスプリングトレーニング期間に離脱して日本代表に合流する行為は、球団側から見れば「リスク」でしかない。大金を投じた即戦力が開幕前に離脱するなど、普通は考えにくい。前例として2023年大会でオリックスからレッドソックスへ移籍直後の吉田正尚が参加したケースもあるが、これは極めて例外的だ。村上と岡本に“特例”が適用される保証はない。
仮に両スラッガーが不参加となった場合、日本の打線は一気に迫力を失う。ドジャース勢も加わらず守備力、投手層、そして士気までもが一気に低下――。こうした悪夢のシナリオが揃うことになれば、あらゆる面で前回大会のような栗山ジャパンの完成度には到底及ばないだろう。
そして今、侍ジャパンにはもう一つの不安材料が加わった。前回大会でチーム最年長として精神的支柱を担ったダルビッシュ有(パドレス)が、右肘の手術によって来季の登板が絶望的となったことだ。本人も「2026年シーズンは投げられません」とSNSで公表。リハビリには12~15カ月を要する見通しで、来年3月開催の次回WBC出場は完全に不可能となった。
ただ侍ジャパン内では、ダルビッシュを「コーチ」として招聘する仰天プランが水面下で浮上している。2023年の宮崎合宿で唯一メジャー組として早期合流し、若手を精神面で支えた功績は大きい。井端監督を補佐し、経験の浅い首脳陣をカバーする存在として“ベンチ入りコーチ”として招く構想が極秘に検討されている。