韓国メディアが前日会見の一幕を忖度することなく、一斉に「日本に不穏な空気」「大谷らドジャース勢のWBC参加はやはり困難か」などと報じたのも当然だ。ドジャース勢が動かなければ、韓国、米国、ドミニカといった強豪との差は一気に縮まる。
侍ジャパンの強さは“世界最強投手陣”の存在によって成り立ってきた。打者としてはもちろんのこと、投手としても最強ピースとなる大谷、これまで侍のエースを務めてきた山本、無限の可能性を秘める逸材・佐々木、侍のマウンドで中心的存在となるべき3人が一気に抜け落ちるなら、再び頂点を目指す戦いは根底から揺らぐ。
ここからどれだけ本気になれるか
来春、井端ジャパンがどんな陣容で世界に挑むのか。その答え次第で、日本野球の未来もまた変わる。そしてもし本当にダルビッシュが「コーチ」としてベンチに座ることが実現すれば、今の不安に覆われたチームに小さな光が差し込むかもしれない。
11月15、16日と2夜連続で行われた韓国戦で侍ジャパンは1勝1分け。15日の初戦こそ逆転勝ちを果たしたものの、15日の第2戦は1点リードのまま9回二死まで持ち込みながら守護神・大勢がキム・ジュウオンに同点ソロを浴び、痛恨のドローに終わった。
勝利まであと1人と迫っていたところで日韓戦11連勝を逃し、詰めの甘さと後味の悪さが残った感はどうしても否めない。これも不安な先行きを暗示する流れなのか――。
いずれにせよ、侍ジャパンが再び「世界の頂」に立つには覚悟と知恵、そして信頼の再構築が欠かせない。すべては、井端体制がどこまで「本気」になれるかに懸かっている。



