少数与党による波乱含みの国会運営が続くなか、政権奪取のチャンスをうかがう野党第一党・立憲民主党。だが党勢は伸び悩み、先の首相指名政局での多数派形成も不発に終わり、いま一つ存在感を示せていないという指摘もある。
今回のYouTube番組「西田亮介の週刊時評@ライブ」では、立憲代表代行の吉田晴美氏がゲストに登場! MC・西田亮介さん(日本大学危機管理学部教授)と、自民との対立軸や、ときに「暗い」とも言われる立憲の現在地などについて、たっぷりと議論しました。
※収録日は2025年11月11日。詳しい内容は、JBpressの公式YouTube番組「西田亮介の週刊時評@ライブ」でご覧ください。
「減税」が人気の今、「給付」の意義を説く
西田亮介氏(以下、西田氏):(「給付付き税額控除」の実現をめざす立憲民主党は)給付の重要性を指摘しています。僕も給付大事だと思うんです。今は減税が人気の時代ですよね。でも、やっぱり給付でしかできないことはありますよね。
当座のお金を届けるのに、たしかに事務コストとかかかるんだけれども、目の前で困っている人にキャッシュを届けるっていうのは、これ給付じゃないとできないことですよね。
吉田晴美氏(以下、吉田氏):そうですね。意外と漏れがちなんですけど、やっぱり冬になって、寒さが厳しい地域の方で、なかなか収入も増えない、年金も限られた中でやっていらっしゃる方にとってみると、暖房も付けないとか、本当に命の問題になりますし、この冬、食料品の物価高というのが本当に直撃しているんですよね。ここに対しての手当てっていうのは、やっぱり必要だと思います。即効性のあるものとして。
あまねく全員に、とは私は思いません。でも、必要な方に届けるっていうのはあると思います。
立憲民主党の臨時党大会で手を合わせる(左から)枝野幸男、泉健太、野田佳彦、吉田晴美の各氏=2024年9月23日(写真:共同通信社)
西田氏:これよく思うんですけど、例えば所得減税とか消費減税は多くの人が恩恵を受けられるので人気であることは間違いないんだけれども、やっぱり声を上げにくい人とか、本当に困っている人というのは、ボリュームは大きくないかもしれないけれども、そこにはやっぱりコストをかけてでも給付でお金を届けていく。それしか仕組みがないんだから、ということですよね。
吉田氏:あと一つ、高市総理に1点だけ私反論したいことがあって。
食料品の消費税ゼロ、たぶん総理自身はやりたそうなんですよね。でも、そのレジシステムの改修とかに1年かかるっておっしゃっていて、えっ!と思うんですよ。でも、スマートレジにしたらできるよねって、ちょっと半分総理もやりたそうな気持ちを出していらっしゃって。
これ、他の国で消費税の税率変える時、1日でやります。で、今日本のDXが遅れていると言われている。海外のスーパーなんか行くと、たしかに日本遅れているなって思う部分、いっぱいあるんですよね。
これを機にガラッと、それも一歩としてやっちゃえばいいんじゃないですかって。
西田氏:なるほど、大胆に。おもしろいですね。
吉田氏:だって、何かするたびに1年かかりますって言っていたら、できない。キャッシュレス化も日本は進んでない、いろんなキャッシュがあって大変だっていう、こういう現状をどうまとめていくか。
いや、これはいい契機にしたらいいんじゃないですか、と。
西田氏:わかりやすいですね。吉田先生、たぶんその勢いでネットいろいろやられると、すごい人気になるんじゃないですかね。差し出がましいですけど。
