繰り上げ返済でローン残高をどこまで減らせるのか

 例えば、借入額5000万円、金利1.0%、35年元利均等・ボーナス返済なしの毎月返済額は14万1142円で、繰り上げ返済しないときの完済までの総返済額は5927万9640円になる。

 それが、返済開始から3年後に「期間短縮型」で100万円繰り上げ返済すると、毎月返済額は14万1142円で変わらないものの、残りの返済期間が32年から31年3カ月に、9カ月分短くなる。残りの返済回数は375回に短縮されるが、完済までの総返済額はこうなる。

【当初3年間の36回】14万1142円×36=508万1112円
【残り375回】14万1142円×375=5292万8250円
●合計5800万9362円

 繰り上げ返済しない場合に比べると、総返済額は約127万円少なくなる。繰り上げ返済する100万円を差し引くと、完済までの総返済額は約27万円減少する。つまり、100万円の支払いで約27万円のメリットが見込めるわけだ。

 一方、「返済額軽減型」では、次回からの返済額が13万8092円と3050円少なくできるため、物価高騰時代には安心だ。残りの返済期間は12年、384回で変わらないので、完済までの総返済額は、次のようになる。

【当初3年間の36回】14万1142円×36=508万1112円
【残り384回】13万8092円×384=5302万7328円
●合計5810万8440円

 繰り上げ返済しない場合と比べると、117万円ほど少なくなる。繰り上げ返済する100万円を差し引くと、得する金額は約17万円だが、「期間短縮型」の約27万円よりは少なくなってしまう。

 元金や繰り上げ返済する金額が多くなればその差はもっと大きくなるので、毎月の返済に問題がないのであれば、「期間短縮型」を利用する方が得策だ。