テック大手の市場支配は新たな現象ではないが・・・

 テック銘柄の市場支配は決して新しい現象ではない。

 アップル、マイクロソフト、メタを含むテック企業は15年以上前の世界金融危機以来ずっと、米国市場の上昇を牽引してきた。

 世界中の市場も上位銘柄の比重が大きい傾向があり、株主還元の大半を生み出す少数の企業によって支配されている。

 米国では、株式市場の集中は少数の企業が利益成長と設備投資の大半を担っている状態の自然な副産物だ。

 例えばグーグル、アマゾン・ドット・コム、メタ、マイクロソフトは今年の3500億ドルの投資に加え、2026年にも4000億ドル以上をデータセンター建設に投資する計画だ。

 国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミストは昨年10月、すでに近代史上で有数の大きな資本の動きになっているAI投資ブームは、米国が急激な景気減速を避けることに貢献したとコメントした。

 しかし、過剰設備と投資ブームが意味のあるリターンを生む時期をめぐる根深い懸念が10月30日に一気に再燃することになった。

 アルファベット、メタ、マイクロソフトが直近の四半期決算を発表した後のことだ。

 グーグルの親会社であるアルファベットが2025年の設備投資計画を80億ドル増やして930億ドルにしたと報告すると、同社株は3%上昇した。その一方で、AI投資が来年1000億ドルを超えると発表したメタの株価は12%急落した。

 AIインフラへの巨額投資は主力テック企業で収益拡大のモメンタムを鈍らせると見られる。

 金融情報サービス会社S&PキャピタルIQによると、メタの利益は今後4四半期に毎期平均で1%しか拡大しないと予想されており、直近4四半期の平均37%から増益率が大幅に鈍る。

「Chat(チャット)GPT」の開発元であるオープンAIと組織再編で最終合意した後、株式時価総額が4兆ドルを突破したマイクロソフトは、前年同期比で74%の支出増加を報告した後、株価が3%下落した。