AIは精緻できれいな画像を描いてくれるが
大量のデータを学習し、同じ条件下で同じ出力を返す。判断基準が明確で、例外の少ないタスクほど、AIは高い精度で遂行できます。
例えば、経理の仕訳作業、コールセンターのFAQ応答、物流の在庫最適化などは、その典型です。
これらの業務は長年、人間がミスを減らすためにマニュアルを整備してきた分野です。言い換えれば、AIが最も入りやすい環境を、人間が整備してきたとも言えます。
では、個性や創造性はどこに残るのか。
AIに任せられる仕事が増えるほど、人間にしかできない仕事の価値が相対的に高まります。
その代表的なものが、創造的思考、感情的共感、倫理的判断といった領域です。
例えば、顧客の潜在的なニーズをくみ取る商品企画や、組織文化を変えるリーダーシップなどは、データだけでは導き出せません。
また、芸術やデザイン、文章表現など、感性や経験の蓄積が必要な仕事も、AIにはまだ再現できない領域です。
AIに作ってもらった動画などを投稿している人が多くいますが、それはある芸術家が作ったものの真似であり、自分の個性ではありません。誰かをリスペクトした姿でしかないのです。
AIに真似されるようなものを作るには、マニュアルに頼らず自ら考え、責任を持って行動する姿勢が求められます。
つまり、個性を殺す方向ではなく、個性を鍛える方向に働き方を再設計する必要があるのです。