7.極東まで逃げた戦略爆撃機
ウクライナは2025年6月1日、基地に駐機している爆撃機等を狙って、トラックで国内に入り、その後ドローン攻撃した。
この攻撃で41機の爆撃機や早期警戒管制機などが破壊された。
その後、ロシアの戦略爆撃機は極東方面に配置換えされた。ウクライナの国境から遠く離れた基地に逃げてしまったのである。
ロシアの戦略爆撃機や大型の哨戒機が日本を周回したり、航空自衛隊のレーダーサイトをミサイルで模擬攻撃する飛行を行ったりすることがある。
有事にこのような行動をとれば、海上のイージス艦や陸上の防空ミサイルで簡単に撃墜される。
爆撃機も同じように、有事にミサイルが飛んでくるときは遠くまで逃げ、平時にミサイルで撃墜されないときに、恫喝してくるのである。
8.ロシアの戦闘機等は張子の虎か
ロシアの新型戦闘機は、欧米の戦闘機に比べ大型で飛行速度も速く、形も流線形であり、性能が優れているように見える。
NATO(北大西洋条約機構)加盟国の領土や日本の領土の近くまで接近し、時には領空を侵犯し脅威を見せつけてきた。
しかし、実戦となれば、無謀に接近した大きな機体には実弾が飛んできて命中しやすい。
ステルス戦闘機と呼称しているSu-57も、実際はステルス性能が十分には満たされていない可能性がある。
ロシア機は攻撃されないときはその大きさで相手国を脅しているが、戦争状態では、安全な後方に下がって爆弾を投下することしかできない。
ウクライナ戦争でその事実を世界に知られてしまった。
高価な機なので撃墜されれば損害は大きい。それで遠くに逃げるのかもしれない。
しかし、これでは有事に役に立たない。
ロシア機は、ウクライナの領域内に入って攻撃することは「しない」が、これは、ウクライナの防空兵器から撃墜される恐れがあるために「できない」のである。
ロシアのステルス機はレーダーには映らないはずだが、実際には映ってしまうのではないかと恐れて、ウクライナ領土には侵入できないでいる。
ロシアのレーダーには映らないのかもしれないが、欧米のレーダーには映る可能性を危惧しているのだろう。
米国のドナルド・トランプ大統領は2025年9月、ロシア軍を「張子の虎(paper tiger)」と呼んだ。
戦闘機や爆撃機が平時では威嚇してくるが、有事になれば安全なところに逃げる意気地なしとまで侮蔑されたわけだが、それ以降も安全第一で運用していることから、実際、張り子の虎なのだろう。




