上位5人が41位以内でフィニッシュ

 エース前田は留学生で形成された先頭集団にはつかず、日本人トップ集団でレースを進めた。15kmで白いキャップを投げ捨てると、チームのために必死に駆け抜ける。終盤まで日本人トップ争いを演じた。

 チームは10kmを7位、15kmを5位、17.4kmを6位で通過する。前田は日本人トップを逃したが、1時間2分12秒の14位でフィニッシュ。栗本航希(3年)、原田洋輔(4年)、深堀優(4年)が1時間2分台で続いて、チーム5番目の小島岳斗(4年)も41位(1時間3分01秒)でゴールした。そしてチームは10時間34分59秒で総合6位。前年、1秒差で逃した涙を喜びに変えた。

「前の5人についてはフリーで走らせて、残りの7人は『ちょうどいい集団を見つけて、そこについていくように』という指示を出したんです。チーム10位のゴールが12番目でちょっとヒヤリとしましたけど、前の5人がうまく稼いでくれましたね。特に4年生がしっかり走ってくれたのが通過できた要因かなと思います。去年負けた悔しさを、選手は実感しているので、それが日々の取り組みにつながりました。逆にいうと、あの1秒があったから、チームが強くなれたと思います」(小指監督)

 エース前田は、「ベストな状態ではなかったので、日本人の大きな集団に食らいついて、『1秒でも前へ』という気持ちで走りました。目標通り、最後まで粘りきれたかなと思います。(日本人トップ争いに)先着できなかったですけど、仕方ないかなと割り切れる部分もありますし、チームが通過できたので僕としては目標を達成できたなと思います」と笑顔を見せた。