2025年10月9日、生徒の動きをみる浅田真央コーチ、左は松田悠良アシスタントディレクター(写真:日刊スポーツ/アフロ)
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(松原孝臣:ライター)

8月1日に開校、練習風景を初公開

 10月9日、浅田真央が東京・立川市の「MAO RINK TACHIKAWA TACHIHI」での練習風景を初めて公開した。

「第1章が選手、第2章がショースケーター、そして第3章は指導者として挑戦していきたいという思いがあります」

 と話していた浅田の第3章の場となる「木下MAOアカデミー」の設立を発表したのは今年6月12日のこと。スケーターの育成を目的とし、5歳から小学校3年生までを対象に行った選考には全国から約70名が応募し12名を選抜した。

「感覚でいきました。『この子だな』と選ばせていただきました」(浅田)

 8月1日に開校、浅田もディレクターの肩書とともに指導にあたってきて、公開練習の日を迎えた。

 参加したのは10名。浅田とアシスタントディレクターの松田悠良が練習を見守る。松田は競技生活から退いたあと、浅田のアイスショー「BEYOND」「Everlasting 33」に出演するなど縁がある。

「そうそうそう」

「手、下がらないようにね」

 一人ひとりに対し、アドバイスをおくる。 

 やがて曲がかかる。曲が変わると、それに応じて生徒が演技をする。いわゆる「曲かけ練習」だ。すでにプログラムがつくられていた。試合へ向けて、準備したものだという。

「アシスタントの2人が振り付けをしました」

 松田と、もう一人のアシスタントで担ったことを明かす。

 公開練習は最後に記念撮影を行い、1時間ほどで終了。

 その後、浅田が取材に応えた。

「いつか自分も指導者として活動できたらいいなと思っていたので、自分が思っている以上に早く指導者への道は進んだかなとは思うんですけど、毎日大変やりがいを感じていますし、とても楽しいです」

「楽しいと思うことは、やはり子どもたちの成長を見られるときが多いことです。難しいなって思うところは今のところはそこまでないと思います」

 スタートしてからの日々を振り返り、こう語る。

 大切にしているのは「一人一人みんな違うので、一人一人をしっかり見て一生懸命に指導することを心がけています」。

 そしてこう語る。

「ほんとうに東京だけではなくて全国からすべてを懸けて、私たちを信じて来てくれた生徒さんばかりなので、私自身も一生懸命、生徒さんたちも一生懸命、ご家族の皆さんも一生懸命やっていくことがいちばん大切だと思っています」

「毎日生徒さんは一生懸命練習しているので、私も130パーセント一生懸命頑張っていくことに変わりなく、結果というのはすぐに出るものではないですけど、長い目を見て生徒さんたちの目標に少しでも近づけるように頑張っていきたいなと思います」