【自分に誇りを持つ言葉】ベーブ・ルース、イチロー
大一番までにやれることをやれば、あとは自信を持って落ち着くことが重要となる。自身を鼓舞する意味でも、名選手の「誇る言葉」も携えておきたい。
ベーブ・ルースは伝説のメジャーリーガーでホームラン王。
1920年、ボストン・レッドソックスからニューヨーク・ヤンキースに移籍すると、ホームランを次々とかっ飛ばし、シーズン60本、生涯714本という大記録を打ち立てた。ホームランだけではなく、三振を恐れない豪快なスイングや愛嬌あふれるファン・サービスで、多くの人々の足を野球場に運ばせ、球界の救世主とも言われた。
ニューヨーク・ヤンキースのベーブ・ルース(1932年4月20日撮影、写真:AP/アフロ)その人気は、当時のアメリカ大統領フーバーよりも知名度が勝るほどで、なんと年俸まで大統領をも凌いだ。あまりの高給に一部からは批判めいた声が上がったが、それに対してベーブ・ルースが答えた一言がこれだ。
「大統領よりもいい仕事をした」
ベーブ・ルースは41歳で野球殿堂入り。背番号3番はヤンキースの永久欠番となっている。
2025年に「アメリカ野球殿堂入り」を果たしたイチローは、これからも往年の名選手として語り続けられる存在となるだろう。日本プロ野球界で数多くの記録を残し、アメリカ大リーグのシアトル・マリナーズやニューヨーク・ヤンキースに活躍の舞台を移したメジャーリーガー。
メジャーデビュー1年目から首位打者、最多安打、盗塁王という3つの主要タイトルを獲得し、新人王とアメリカンリーグMVPに選ばれた。それからもヒットを量産し、2004年には262安打を放って、ジョージ・シスラーの257安打の記録を破るメジャーリーグ新記録を樹立した。
2004年10月3日、通算262本目となる安打を放ち記録を塗り替えたシアトル・マリナーズのイチロー(写真:ロイター/アフロ)安打製造機とも呼ばれる天才プレーヤーの言葉がこちら。
「ストライクを3回見られる今のルールでは僕を抑える術はない」
独特のバッティングフォームによる「振り子打法」は、これまでのバッティング理論を百八十度変えたと言われている。もはや野球のルールを変えなければ、イチローを抑えることはできない。そう舌を巻いた対戦ピッチャーもいたことだろう。
確かな実績に裏付けられた誇り高き名言である。
* * *
この記事では、スポーツ選手の言葉を紹介したが、『壁をブチ破る天才100の言葉』では、さまざまな分野で「天才」と評された古今東西の偉人たちによる言葉の数々を紹介している。
「挑む言葉」「極める言葉」「閃く言葉」「努める言葉」「誇る言葉」──。
大きな壁にぶつかっているとき、どことなく人生が停滞しているように感じてしまうとき、また、自分の可能性をもっと探りたいと考えたとき……人生の転換期を迎えるきっかけとして、本書を役立ててもらえればうれしく思う。








