会話のキャッチボールの中で、ふいに投げかけられた言葉にうまく答えられなかった──。仕事やプライベートで、そんな経験をしたことは誰もが一度はあるだろう。また、相手のとっさの質問に答える中で、改めて自分の思考や価値観に気づくこともある。そして、何げなくした返答が、相手の心を打つ「神回答」となることも……。では、一線で活躍し、コメントがメディアで取り上げられることも多い著名人たちはどんな名言を残しているのか。タモリ、桑田佳祐、藤井聡太の「神回答」を紹介する。
(*)本稿は『「神回答」大全 人生のピンチを乗り切る著名人の最強アンサー100』(真山知幸著/小学館)の一部を抜粋・再編集したものです。
「神回答」とは何か?
状況はまるで変っていないにもかかわらず、その言葉を聞いた瞬間に、ふっと気持ちが楽になったり、視界がぱーっと開けたりするような言葉がある。私は、そんな「人生の風景が変わる言葉」を「名言」と定義づけし、これまで多くの名言集を書いてきた。
しかし、実はそんな名言には、2つのタイプがある。ひとつは「一人の思考から生み出された言葉」。そして、もうひとつが、「会話のやりとりから発せられた言葉」である。
後者こそが、いわゆる「神回答」と呼ばれるもので、その場でとっさに出された言葉ゆえに、物事の本質を鋭く突くこともあれば、相手に優しく寄り添ったり、勇気を奮い立たせたりすることもある。
神回答には8つの効能があると私は考えているが(8つの効能については後述)、この記事では、そのうち「心がスッと楽になる神回答」「人間関係を円滑にする神回答」「相手のイメージを膨らませる神回答」をした著名人をそれぞれ一人ずつ挙げて、解説していきたい。