2025年9月4日、東京世界陸上、公開練習での桐生祥秀(右)、井上直紀 写真/森田直樹/アフロスポーツ
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(スポーツライター:酒井 政人)

リレー主将に選ばれた桐生祥秀

 9月13日に開幕する「東京2025世界陸上」。ホスト国となる日本は38種目で全80名の代表選手を発表した。そのなかでも最も注目を浴びている種目のひとつが男子4×100mリレーだ。

 個人代表の桐生祥秀(日本生命)、守祐陽(大東大)、サニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)、鵜澤飛羽(JAL)らに加えて、大上直起(青森県庁)、井上直紀(早大)、小池祐貴(住友電工)、栁田大輝(東洋大)、清水空跳(星稜高)がリレーメンバーとして代表に選出された。

 短距離担当の信岡沙希重コーチが「金メダルも目指せる」と話すほどのメンバーが揃った。なかでも「軸になる」と絶大な信頼を寄せているのが、過去に何度もリレーで快走を見せてきた桐生と日本選手権200mで3連覇中の鵜澤だ。

「桐生選手は3走のスペシャリスト。鵜澤選手は個人の200mがあるので、バトンパスの負担が少ないアンカーがメインになってきます」と信岡コーチ。3走・桐生、4走・鵜澤をベースに様々な組み合わせのなかから“ベストオーダー”を探っていく考えだ。

 16歳の清水が選ばれたこともあり、リレーメンバーの年齢差は大きくなっている。そのなかで桐生がリレーの主将に任命された。

「今回はほとんど代表でバトンパスをやったことがない選手がいますし、シャイな子も多い」と桐生は言うが、仲間の声をまとめてコーチ陣に届けるなど、リレーチームをまとめている。

 本番に向けては、「個人としては久々なので、今年のレースの最高峰を出せれば、しっかりラウンドを踏んでいけると思います。リレーは(メダル獲得)タイムが年によって全然違うので、任された走順を全力でしっかりやる。自国開催だからこそ、メダル獲得がもっともっと大事かなと思います」と熱い思いを口にした。