佳子さまの働きぶりは職務遂行以上の意味を帯びている
7月11日、秋篠宮ご一家は東京都写真美術館で開催中の「被爆80年企画展 ヒロシマ1945」を視察された。令和に入り、悠仁さまも同行されたご一家全員での公務は、宮中行事や葬儀を除けば初めてである。
「被爆80年企画展 ヒロシマ1945」を視察される秋篠宮ご夫妻と次女佳子さま、長男悠仁さま(2025年7月11日、写真:共同通信社)
会場には、1945年8月6日の爆心地付近で撮影された写真や映像など約160点が並び、原爆の苛烈な現実を突き付けていた。
佳子さまは「写っている方の苦しみと撮影した方の葛藤を知ることができました」と語られ、その言葉には被爆者と記録者双方への深い共感がにじむ。秋篠宮さまも「こういったことが二度とあってはならない」と強い調子で述べられたという。
この視察は、戦後80年という節目を超えて、歴史の重みを次世代の皇族が共有し、記憶の継承を自らの使命としていることを示す場だった。佳子さまの発言は、その使命を若い世代がどう受け止めているかを端的に物語っている。
他にも佳子さまは6月20日に東京都足立区の石洞美術館で「第53回伝統工芸日本金工展」をご鑑賞。翌日には日本橋三越本店で「第32回伝統工芸人形展」「第30回伝統工芸諸工芸展」を視察され、日本工芸会総裁としての務めも果たされた。
さらに6月末には、皇居・神嘉殿前庭で執り行われた宮中祭祀「大祓の儀」にもご臨席。長期海外公務の直後とは思えぬ精力ぶりで、次々と日程をこなされていった。
この働きぶりは、単なる職務遂行以上の意味を帯びていると思う。佳子さまは、ご結婚により皇室を離れるまでの「限られた期間」の中で、可能な限り役割を果たそうとしているようにも映る。そこには、女性皇族の現実が透けて見える。