米カリフォルニア州マウンテンビュー市にあるグーグル本社(写真:ZUMA Press/アフロ)
米グーグルの持ち株会社アルファベットの2025年4~6月期決算は、売上高が前年同期比14%増の964億2800万ドル(約14兆1000億円)、純利益が19%増の281億9600万ドル(約4兆1000億円)となり、9四半期連続の増収増益を達成した。
クラウドコンピューティング事業が力強く成長したほか、主力の広告事業も堅調だった。売上高、純利益ともに市場予想を上回り、好調さを示した。
一方で、激化するAI開発競争に対応するため、年間の設備投資見通しを従来の想定から13%増となる約850億ドル(約12兆4000億円)に引き上げることも明らかにした。
AIへの巨額投資は、今後の同社の成長と収益性を占う上で焦点となる。
クラウドが成長を牽引、広告も堅調
事業別に見ると、AI需要の高まりを背景に成長が続くクラウドコンピューティング事業の売上高は、前年同期比32%増の136億2400万ドルに達し、5四半期連続で100億ドルを超えて過去最高を更新した。
増収率は前四半期の28%からさらに加速している。
同部門の営業利益も2.4倍の28億2600万ドルと、過去最高を記録し、3四半期連続で20億ドルの大台を超えた。
ただし、営業利益の伸び率は2024年7~9月期に記録した7.3倍の水準と比べると鈍化傾向にある。同事業は2023年1~3月期に初めて黒字化した。
主力のインターネット広告事業の売上高も、前年同期比10%増の713億4000万ドルと堅調に推移。
内訳は、検索連動型広告が12%増の541億9000万ドル、動画共有サービス「YouTube(ユーチューブ)」の広告が13%増の97億9600万ドルだった。一方、グーグル広告ネットワークは1%減の73億5400万ドルだった。
また、「YouTube Premium」などのサブスクリプション(定額課金)やデバイス等を含む「その他サービス」は20%増の112億300万ドルと好調な伸びを示した。
これらを含めたグーグル・サービス全体の売上高は12%増の825億4300万ドルだった。
自動運転技術のウェイモ(Waymo)などを含む「アザーベッツ」部門の売上高は、2%増の3億7300万ドルだった。