このように、習主席は李大統領に対して、単に「就任の祝賀」とは思えないような長広舌をぶったのである。大いなる期待感の表れである。
軍事パレードへの参加、どのように決断するか
それで2カ月後、9月3日の軍事パレードである。もちろん、中国は李在明大統領を招待している。
私は5月末に、李在明政権で外交・安保を司る国家情報院長に就任した李鍾奭(イ・ジョンソク)氏にインタビューしたが、李院長は「軍事パレードには行かない」と述べた。
「10月末から11月初にかけて、慶州(キョンジュ)でAPEC(アジア太平洋経済協力会議)を主催し、その時に習近平主席が訪韓するので、そこで韓中首脳会談を開けばよい」
私も、李在明大統領が「北京の軍事パレード」に参加する可能性は低いと見ている。そもそも、いまだ同盟国アメリカのドナルド・トランプ大統領にさえ会っていない。
唯一、参加する道は、今月か来月にトランプ大統領と会談し、了承を得た場合だ。だがトランプ政権の対中強硬派の面々が、「OK」と言うはずもない。
李在明大統領は、「無難な実用外交」に徹し、「朴槿恵大統領の轍」は踏まないだろう。