朴槿恵大統領の教訓は、「いくら中国と近づいても、矩(のり)をこえると同盟国アメリカに踏み潰される」ということだった。そのため、次の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、中国よりもむしろ北朝鮮に接近した。続く尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、中国と完全に距離を置いた。
李在明大統領の「謝謝外交」路線、歓迎する中国
そして、先月就任した李在明大統領である。李大統領は、「習近平主席を尊敬している」とされ、大統領選挙期間中、最も話題を呼んだのは、いわゆる「謝謝(シエシエ)外交」発言だった。「近未来に台湾有事が起こっても、韓国は他国の内政に干渉しない」と、習主席が歓喜しそうな態度を見せたのだ。
李大統領は、就任して6日後の6月10日に習近平主席から祝福の電話をもらった際、喜々として自らの「X」で報告した。中国側も、外交部が発表した習主席の発言から、李在明大統領の就任を「熱烈歓迎」している様子が伝わってくる。
「中国と韓国は、引っ越すことのできない近隣であり、国交樹立から33年、両国はイデオロギーと社会制度の違いを超えて、積極的に各分野での交流協力を推進し、相互の共同発展を実現成就させてきた。健全で安定し、引き続き深化していく中韓関係は、時代の発展の潮流に即しており、両国の国民の根本的な利益にも合致し、地域と世界の平和安定と発展繁栄にも利をもたらすものだ。
われわれは国交樹立時の初心を大事にし、固く善隣友好の方向に進み、互利共勝の目標を堅持していこうではないか。中韓の戦略的パートナーシップ関係をさらに高いレベルに引き上げ、両国の国民にさらに多くの福祉をもたらし、変乱が続く地域と国際情勢に、さらなる確実性を注入しようではないか。
各級各分野の交流を強化し、戦略的相互信頼を増進していくべきだ。双方の協力と多国間の協調を密接にし、多国間主義と自由貿易を共同で維持、保護し、全世界と地域のインダストリアルチェーンとサプライチェーンの安定した流通を確保していくべきだ。自分交流を深化させ、相互理解を深め、民意の基礎を固め、中韓友好を両国の国民の心中に定着させていくべきだ。互いの核心的利益と重大な懸念を尊重し、双方の関係の大きな方向をしっかり掴み、中韓関係を終始、確固として、正確な軌道に沿って前進発展させていくべきである……」