ポツダム宣言受諾後の9月2日、日本政府は東京湾に停泊していた米国戦艦ミズーリ号で降伏文書に署名。この9月2日を第二次世界大戦の終戦とする国もある。

 現にアメリカは、9月2日の降伏調印式の直後、大統領のトルーマンがラジオ放送を行い、「対日戦勝記念日」を宣言。次のように述べた。

「われわれは真珠湾攻撃の日を記憶するように、この日を『報復の日』として記憶するだろう。この日からわれわれは安全な日を迎える」

 このことから、アメリカでは9月2日を「VJデー」にしている。イギリスと呼び名は同じだが、日にちが異なるというわけだ。ロシアもアメリカと同じく、9月2日を「第二次世界大戦終結の日」と定めた。

 ちなみに、中国の場合は、翌日の9月3日を「抗日戦争勝利記念日」としているが、これは当時の国民党政府が降伏調印日の翌日から3日間を休みにしたためである。終戦を9月2日と考える点では、中国もアメリカ、ロシアと同じと言える。

 戦争が終わったのは、日本がポツダム宣言を受諾した8月15日か、降伏文書に署名した9月2日か──。日本人にとっては、初めて天皇自身の声を聞くことになった玉音放送のインパクトがあまりに大きい。8月15日を「終戦記念日」とするのが自然なのかもしれない。

 だが、8月15日を終戦日とすることで、国民の記憶から忘れ去られてしまった戦闘があったことをご存じだろうか。