イランの核活動の中核を担うフォルドゥの地下核施設

 フォルドゥの地下核施設について、米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」のヘザー・ウィリアムズ上級研究員は「山の地下深く埋設され、イランの核活動の中核を担っている」と解説する。濃縮度を60%から兵器級の90%に引き上げられる施設と考えられている。

 第1次トランプ政権がイラン核合意から離脱した際、イランはフォルドゥで旧式のIR-1遠心分離機と、より高性能のIR-6を使って濃縮活動を再開、60%濃縮ウランを生産している。2023年の国際原子力機関(IAEA)のサンプル調査では濃縮度は実に83.7%に達していた。

 フォルドゥの施設は地下80~110メートルに埋設され、空爆に耐えられるよう設計されている。60%濃縮ウランを備蓄しているか、他の保管場所から60%濃縮ウランが移送されてくる可能性がある中核施設である。フォルドゥを破壊しない限りイスラエルは任務完了とは言えない。

 イスラエルがフォルドゥの核施設を破壊するためには米国のB-2爆撃機に搭載される3万ポンドのバンカーバスターGBU-57の支援や小型のペイロード兵器で複数回攻撃する必要があるが、それでもフォルドゥが破壊できるかどうかは分からないとウィリアムズ研究員は指摘する。

地中貫通爆弾「バンカーバスター」の装填訓練をする米軍兵士(写真:ロイター/アフロ)