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(篠原 信:農業研究者)

正統派ユダヤ教のラビから送られてきたメッセージ

 私はしばらく前にツイッターで、世界中のユダヤの人々に向けて警告を発した(とはいっても日本語だが)。

 イスラエルによるガザ地区の攻撃は度を過ぎており、過激派によって人質をとられたばかりの頃と違って、世界の人々が批判的になっていること、イスラエルの振る舞いをアメリカ政府が容認していることにも世界は批判的になっていること、また、トランプ大統領がユダヤ人差別を理由にハーバード大学に圧力をかけていることなども、ユダヤの人々に有利になるどころか、イメージを悪化させる原因になっていること。

6月1日、ガザ地区へのイスラエルの攻撃で煙が立ち込める中、立ち尽くすパレスチナ人の男性(写真:ロイター/アフロ)

 それらの諸条件は、世界の人々がユダヤの人々を憎む理由になってしまい、再びアウシュビッツ収容所でのユダヤ人大虐殺(ホロコースト)のような、凄惨な出来事を引き起こしかねないのではないか、だからユダヤの人々は声を上げ、これらの行為をやめさせるよう、イスラエルやアメリカ政府に働きかけるべきだ、と訴えた。

 すると、世界中で活動する正統派ユダヤ教の祭司(ラビ)たちが運営するアカウントから、私に直接連絡がきた。彼らは私の呼びかけを読んでくれていた。彼らは、イスラエルによるガザ地区の攻撃を厳しく批判してきた、という。

6月2日、ガザ地区南部ハンユニスのナセル病院に対するイスラエルの攻撃で犠牲になったパレスチナ人の葬儀で嘆き悲しむ少女(写真:ロイター/アフロ)

 アメリカ政府によるイスラエル支持も懸念し、ユダヤ人差別を理由にハーバード大学を締め上げている件も、非常に憂慮しているという。

 私は強く興味を持ち、彼らにいくつかの質問をした。彼らのうち、ラビの一人が、誠実に回答してくれた。その回答をもとに、私なりの理解をまとめてみる。

 ただし、私が彼らの主張を誤解している面もあるかもしれず、これから私が述べるのは私なりの理解であることを強調しておきたい。彼らの考え方を正確に理解したい場合は、彼らのツイッターアカウント(「Voice of Rabbis」@voiceofrabbis)の投稿をご覧になることをお勧めする(英語だが、ツイッターは翻訳機能があるので「ポストを翻訳」を押せば、日本語に訳してくれる)。