都議選の街頭演説の様子をスマホで撮影する人(写真:共同通信社)

 7月に予定される参議院選挙の前哨戦とされる東京都議会議員選挙が6月13日に告示された。選挙戦は9日間行われ、22日が投開票だ。

 都議会の定数は127。都内42選挙区でそれぞれ定数1~8の議席を争う。主な党派別の選挙前議席は、自民党30、都民ファーストの会26、公明党23、共産党19、立憲民主党12、日本維新の会1、東京・生活者ネットワーク1、無所属11、欠員4。これに、都議会に議席のない国民民主党、れいわ新選組、参政党、日本保守党、社民党の他、石丸伸二・前安芸高田市長が代表を務める地域政党「再生の道」も候補者を擁立し、過去最多の295人が立候補した。

「政治とカネ」で逆風に晒されてきた自民党は第一党を維持できるのか、新興勢力の議席獲得はあるのか――。「日刊ゲンダイ」第一編集局長の小塚かおる氏が都議選の注目ポイントをレポートする。

「台風の目」と見られていた国民民主党だが…

「ほんの2、3週間で、景色が大きく変わった」

 選挙関係者を取材すると、今回の都議選についてこんな見方を示す人が少なくない。

 ちょっと前まで、「台風の目」と見られていたのは国民民主党だった。SNSを駆使した選挙戦と「手取りを増やす」のキャッチコピーで昨年(2024年)10月の衆議院選挙では議席4倍増と大躍進。

 その後も、玉木雄一郎代表と榛葉賀津也幹事長の2トップが注目を集め、国会議員36人の中小政党ながら、200人弱を擁する立憲民主党を抜いて、世論調査で野党トップの政党支持率が続いていたからだ。

 国民民主は玉木代表と小池百合子東京都知事との近しい関係から、小池氏が特別顧問を務める都ファと国政選挙で連携してきた。

 今回の都議選でも国民民主は都ファを邪魔しすぎないよう、4人区以上の選挙区に絞って18人を擁立。都議選の勢いを参院選につなげるべく、告示前から玉木氏が頻繁に公認候補の応援に入っていた。玉木氏は「単独で条例案を提出できる11議席」と目標を掲げ、都政関係者らも「2ケタは固いだろう」と見ていた。ところが……。