給食にタバコ、カビ、金属片が混入

井上:近年、給食会社の突然の倒産や、食べ物の中にタバコの巻紙やカビの塊、金属片が入っているなどの不祥事が起きています。

 こうした問題が起きてしまうのは、自治体が委託する給食会社の経営状態を吟味せず、「入札金額」だけで決めてしまう背景があったからです。

 毎日、安心で安全な食事を作り続ける給食会社にとって、調理費用以外の目に見えないコストをかける必要があります。例えば、衛生管理への投資や、優秀な人材確保のための人件費などです。

 もちろん、不祥事を起こした会社を肯定するつもりは毛頭ありません。ですが、現実として「あの会社は安く給食を作ってくれるからあそこに頼もう」と判断せざるを得ない自治体もあると思います。

 自治体としては、金額だけでなく給食会社の中身までしっかり判断した上で委託することに加え、学校給食に対する予算を増やすしかないと思います。

──石破首相は、学校給食の無償化を「2026年度以降の早い時期に制度化する」ことを目指すとしました。