写真提供(左):共同
サッポログループは2025年2月、全社員が利用可能な独自の生成AIツール「SAPPORO AI-Stick(通称:サッポロ相棒)」をリリース。社内データと連携させ、マルチモーダルをかなえながら、強力に生成AI活用を進めている。2022年にDXを本格スタートさせた同社がここに至るまでのプロセスと推進施策、フォローアップ、具体的な活用事例から今後の展望まで、DX企画部部長の桑原敏輝氏に聞いた。
DXの一翼を担う、サッポログループの生成AI活用の全貌
サッポログループは2022年3月、「お客様接点の拡大」「既存・新規ビジネスの拡大」「働き方の改革」という3つの方針を掲げてDXを本格スタートさせた。
これを支えるのは、「人財育成・確保」「推進組織体制強化」「ITテクノロジー環境整備」「業務プロセス改革」という4領域での環境整備施策だ。例えばグループ共通のデータ基盤システム「SAPPORO DATA FACTORY(SDF)」もこの枠組みの中で構築し、2025年1月に本格運用を開始している。
生成AIについては2025年2月より、独自に構築した「サッポロ相棒」とMicrosoft Copilot Chat という2つの生成AIツールを全国全社に展開している。
メインとなる「サッポロ相棒」について、DX企画部部長の桑原敏輝氏は「一人一人に寄り添い、日々の業務を一緒に進められるようにと、この名前を付けました。ロゴマークも生成AIで作ったものです」と説明する。
サッポロ相棒は社内データ連携・マルチモーダルでの活用で、働き方を変革する大きな推進力になると期待されている。文書生成、画像生成、データアップロード、RAG(Retrieval-Augmented Generation=検索拡張生成)といった機能が使える。Microsoft Copilot Chatは、主にWEB情報の検索に用いることを想定しているという。
生成AIの利活用推進に当たっては、全社的な教育はもちろん、利用規定を設けてガバナンスも強化してきた。BI((ビジネスインテリジェンス)」)による分析やアンケートで社内の活用度も多角的に分析している。今後の展開について、桑原氏は次のように語る。
「2024年度までは一般ユーザーの自発的な活用を目指してきましたが、今後はあらゆる業務への活用を進め、2026年以降にはビジネスプロセスに組み込んで変革を実現していきます。技術的には、RAGのバージョンアップ、そしてSDFを活用したAIエージェントと挑戦を続けていきます」(桑原氏)。
2022年後半からの約2年間で全社展開に至ったサッポログループの生成AI活用の全貌を語った講演から、その骨子をお届けする。








