「リーダーシップの本質は肩書ではなく行動と役割にある」
サーバント・リーダーシップのような控えめなスタイルは、日本の文化や組織にうまく適合する。最近では、アメリカでも「Quiet Leadership」という考え方が注目されている。これは、かつてMBA課程で競い合いながら発言するのが当たり前だった時代からは想像もできない変化だ。
「誠実さ」や「静かさ」が再評価されるのは良い傾向だが、忘れてはならないのは、「リーダーはリーダー」だということだ。
どんなスタイルを採用しようと、リーダーには他人を引っ張る主体性とパッションが不可欠だ。受け身ではなく、能動的であること。リーダーシップの本質はそこにある。そして、その本質を理解したうえで、自分にとって自然なスタイルを柔軟に選び、状況に応じて使い分けることが求められる。
リーダーシップとは「役割」であり、上下関係のことではない。「役割」としてのリーダーの存在は、組織や集団の中で欠かせない要素だ。たとえば災害時、避難誘導のリーダーが曖昧な指示を出せば混乱が生じる。遠慮は無用だ。適切な判断と行動を示すことが、リーダーの責任なのだから。

リーダーシップは、ただ偉そうにすることではない。それは「自分軸」を持ち、チームを導く力だ。理屈を述べるだけではなく、自分の考えや思いをストレートに伝え、メンバー一人ひとりの声にも耳を傾けるのがいいリーダーだ。
優れたリーダーは、自分軸をしっかり持っている。リーダー役に慣れていないと、「自分が偉そうに見えるのでは」と不安に感じることもあるが、リーダーとはあくまで「役割」であり、特別に偉いわけではない。
重要なのは、メンバーの思いを尊重しつつ、自分の意見やビジョンを明確に示すことだ。
リーダーシップはスタイルや肩書ではなく、行動と役割にその本質がある。どんな場面でも主体性を忘れず、自分らしいリーダーシップを築いていこう。それが、チームを動かし、目標を達成する鍵となる。