リーダーシップの本質はスタイルや肩書ではなく行動と役割にある(写真:WESTOCK PRODUCTIONS/shutterstock.jpg)リーダーシップの本質はスタイルや肩書ではなく行動と役割にある(写真:WESTOCK PRODUCTIONS/shutterstock)

 世界的な人材コンサルティングファームとして知られるコーン・フェリーの日本代表を務めた妹尾輝男氏。そんな世界で活躍するトップレベルのビジネスパーソンを見てきた妹尾氏が見る、伸びる人材の共通点とは。

*この記事は『成長の書』(講談社)の内容を一部抜粋・編集しました。

自分の中にリーダーとフォロワーを育てる

「リーダーシップ」と聞くと、つい外向きの影響力や人を引っ張る力を想像しがちだ。だが、リーダーシップを発揮すべき最初の相手は、自分自身だ。

 そして、その鍵となるのが、「自分の中にリーダーとフォロワーをつくる」という発想だ。

 リーダーとフォロワーは場合によっては「経営者」と「実行者」の関係だ。何かやるべきことがあったら、それを「経営者の仕事」と「実行者の仕事」に分けて、自分の中で役割を割り振ってみる。

 たとえば、君がカフェで原稿を書く予定だとしよう。その場合、作業を次のように分解する。
  
① 前日の夜
必要な道具(ノートパソコンなど)をカバンに入れておく。パソコンやスマホを充電しておく。
② 当日の朝
あれこれ考えずに、とにかくカフェへ向かう。
③ カフェに到着後
原稿を40分間、集中して書く。

  
 上記の「To Do リスト」を前日に作成するのが「リーダー=経営者」の役割だ。そして当日、そのリストに従って実際に行動するのが「フォロワー=実行者」の役割だ。

 実は、このノウハウを教えてくれたのは、北野唯我氏の著書『仕事の教科書』だ。僕自身、この方法を試してみたところ、効果抜群だった。