次期大統領として有力視されていた李在明候補。大統領選前に支持率が急落した(写真:AP/アフロ)

(平井 敏晴:韓国・漢陽女子大学助教授)

 大統領選挙候補者の支持率の「急変」に韓国社会がざわついている。支持率トップの最大野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)氏と、それを追う与党・国民の力の金文洙(キム・ムンス)氏との差が一気に縮まったからだ。

 この世論調査はリアルメータにより22、23日に実施され、李在明氏の支持率が46.6%、金文洙氏が37.6%と9ポイント差であった。この1週間前の同調査では、李氏が50.2%、金氏が35.6で15ポイント近くの差があった。金氏の追い上げもあるものの、それよりもむしろ、李氏の支持率下落が著しい。

 驚くべきなのは、それだけではない。大統領選レースで第3位につけMZ(ミレニアム・ゼット)世代から支持を集めている保守系の少数政党・改革新党の李俊錫(イ・ジュンソク)氏の支持率が初めて二桁となり、10.4%を記録した。これにより、2位と3位の支持率を合わせると48.0%となり、トップ李在明氏の支持率を上回った。

 選挙戦が始まって以来50%以上の支持率を維持してきた李氏だが、ここへきて、40%台半ばへと一気に下落したのだ。ほかの調査会社による世論調査でも、李在明氏が依然として優勢ではあるものの、支持率低下に歯止めがかからない状況だと報じられている。

 そのなかで、2位と3位が上昇気流に乗っており、李在明氏としては予断を許さない状況になってきた。

 支持率下落の理由として報じられているのが、李氏本人の一言だ。