統一教会幹部の指示で大統領夫人に高級ジュエリーと高級バッグ

 ただ関係はそれだけではなかった。この単独面談の後、ユン氏は建希夫人へのプレゼントとして、全氏に英国のハイエンドジュエリーブランドであるグラフ(GRAFF)の6000万ウォン相当のダイヤモンドネックレスとシャネルのバッグを手渡したという。検察はこれを請託に対する代価と見て、最近、尹大統領夫妻の自宅とシャネル・コリアなどを家宅捜索して強制捜査に突入した。

4月30日、家宅捜索を受けた尹錫悦・全体等量の私邸前に集まった報道陣(写真:Yonhap News Agency/共同通信イメージズ)

 検察が押収捜索令状に記載した統一教会側の請託内容を見ると、①カンボジア・メコン川敷地開発ODA(公的開発援助)プロジェクト、②国連事務局の韓国誘致、③教育部長官の統一教会行事参加、④統一教会のYTN放送局買収、⑤大統領就任式招待などが含まれているという。

 検察はシャネル・コリアの家宅捜索で、尹氏が義妹の名義で22年4月と7月にシャネル・バッグを購入した記録と、その後、建希夫人の秘書がこれらのバッグを店に持ち込み、追加金を払って別の商品に交換した事実も確認した。検察はこれを「追跡を避けるための手法」だったと疑っているが、建希夫人側は「カバンを受け取っていない」と主張している。全氏も「建希夫人の秘書がカバンを紛失してしまい、建希夫人にカバンを渡すことができなかった」と陳述した。

 グラフのネックレスについても、建希夫人は「受け取っていない」と主張しており、全氏も「ネックレスもなくした」と供述したという。

 検察は統一教会への捜査にも拍車をかけている。13日には統一教会の政治界へのロビー物品の「供給策」として知られている人物の居住地を押収捜索したことも明らかになった。「宝石商」と呼ばれるこの人物は、韓総裁の宝石購入を代行している人物としても知られている。

 検察は、建希夫人を召喚して直接捜査に入る方針を明らかにしたが、建希夫人は病院の診断書を添付し、「健康上の理由」で召喚は大統領選挙以降にしてほしいと要求した。本人に対する検察捜査が大統領選挙に影響を及ぼすことを恐れたものと見られる。